酒屋の前掛けと藍染め
昔は、酒屋さんや他のお店屋さんが、藍染めの前掛けをしているのを当り前のように眺めていました。
しかし、最近ではそのような姿をあまり見なくなったような気がします。
その理由の一つが、判明しました。
以前は、酒造メーカーが販促品として酒屋さんに前掛けを無料で提供していたそうです。
しかし、日本酒離れや酒屋の販売許可制の撤廃などによりその無料配布が、ほとんどなくなったようです。
そのようないきさつがあり前掛けは、今や貴重なものとなってしまいました。
これらの前掛けは、藍で染められています。
藍で染められたものは色褪せしにくく、虫の嫌いな成分を含むことで、害虫を寄りつかせない性質を持っています。
また海外では「JAPAN BLUE」と称され、日本が誇る文化の一つともなっています。
その生産は、江戸時代から始まり有名な産地は、徳島県の阿波地区です。
この阿波藍は、阿波藩に莫大な富をもたらしました。
しかし、日清戦争後の明治27~28年頃、安価なインド藍が輸入されるようになり、その後ドイツから化学染料も入ってくるようになりました。
その結果、高価な阿波藍よりも染まりのよい安価な藍の需要が高まり、阿波藍は衰退してしまいました。
今後は、経済原理の淘汰ではなく、日本文化の継承という観点で阿波藍を守る叡智を切に望みます。
これは、金沢の穀物商の前掛けです。
電話局番が、一桁であることで時代を感じます。
また、これも金沢の履物問屋の前掛けです。
この前掛けもやはり、意匠を凝らしたもので、芸術性を感じるほどです。
金沢の文化は、このようにとても奥深いものです。
私達は着物や帯・小物類などを大量に毎日手運びしています。
そんな時、腰の怪我から守ってくれているのが、藍染の前掛けです。
私は、冒頭で紹介したホッピーの前掛けを毎日の様に使っています。
そのため随分と色褪せ、少々くたびれています。
でも私は、この前掛けに感謝しつつ愛着を持っています。
さあ今日も仕事だ。
頑張ろう!!
あんたもいっぺん金沢に来てみまっし♪
今回の担当は、達じいでした。
あんやと(*´▽`*)。
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