2016年12月21日水曜日
うんまい金沢 海鮮編 その2 3-3
第2位 香箱ガニ
1.美味しい食べ方
香箱ガニは、加能ガニの雌ガニです。
甲羅の中には、オレンジ色の未成熟卵である内子(うちこ)やカニミソが入っています。
そして、お腹には茶色の粒状の受精卵である外子(そとこ)が、ビッシリとつまっています。
食べ方は、やはり茹でて二杯酢で食べるのが一般的です。
その他には、軍艦巻きや炊き込みご飯でも美味しく頂けます。
2.カニ面
そして、金沢人の密かな食べ方として、おでんのカニ面があります。
カニ面とは、足などから身を全て取り出しカニの甲羅につめて、おでんとして煮込んだ物です。
これがおでんの出汁に浸みて、たまらなく美味しいのです。
価格は、大体1,200円から2,000円位もして、少々お高くつきます。
その昔カニ面は、小金持ちのお大尽しか食べられない隠れメニューでした。
しかし、昨年テレビ番組「ケンミンショー」で取り上げられてからは、金沢市内のおでん屋に大挙押しかけるようになってしまいました。
そして彼らは、口を揃えて「とにかくカニ面、カニ面をくれ」と言うのです。
そのため地元常連客である達は、気兼ねして注文できないネタとなってしまいました。
だってそれは、ネタ(正式にはおでん種)として商品になるまでに、もの凄い手間がかかっていることが、品格優れたおじさん達には、わかっているからです。
そして遂には、あまりにもカニ面を注文する観光客が多くなってしまいました。
しかし、ここで予期せぬ事が起きました。
それは、目の前の鍋にカニ面があるのに注文すると、これは予約のお客様用だと断わられるお客さんが、続出したのです。
そこで仕方なく、おでんの老舗と知られる「赤玉本店」では、今季の予約によるカニ面販売をとりやめました。
この様に金沢人は、自分達の固有の文化が、あまりにも急激に変化することに、戸惑っているのが現状です。
なお、カニ面には2つの流れがあります。
カニ面発祥店である、「菊一」さんでは、甲羅にカニ身を全て入れ、カンピョウで絞り煮込む方法です。
そして、前述の「赤玉本店」さんでは、それに練り物を加え煮込みます。
どちらも美味しいことは、保証済です。
しかし販売期限は、12月29日に迫っていることをここに改めて付け加えます。
3.香箱ガニの価格
香箱ガニは、加能ガニに比べて非常に安く手に入ります。
大体、1杯300円から3,000円位です。
特にその価格が、1杯1,500円を超えるくらいからより美味しくなり、3,000円も払えば加能ガニを凌ぐ美味しい香箱ガニに出会えるかもしれません。
その美味しさは、繊細で旨みが強く、私はむしろ香箱ガニの方が好きです。
しかし、特に北海道出身の方は大きなカニに慣れているせいか、香箱ガニを木葉ガニ(こっぱガニ)とかクズガニと呼ぶこともあるようです。
4.美味しい香箱ガニの見分け方
① 大きいこと
② 重いこと
③ 外子が赤黒いこと
香箱ガニもより大きければ大きい程、味わいが深く美味しくなります。
また、外子がオレンジ色よりも赤黒くなっているカニの方が濃厚な内子が多く詰っています。
5.何故、金沢のカニは特別美味しいのか
金沢のカニは、他所よりも格段に美味しいと断言できます。
それには、いくつもの必然的な理由があります。
その理由は、以下の通りです。
① 漁場は、暖流と寒流のぶつかる位置にあり、プランクトンが多い。
② そのためカニの餌となる魚が多い。
③ 激しい潮流に揉まれることで強いカニになる。
④ 漁場には、カニの生息域である水深200mの大陸棚が広がる。
⑤ 漁場の水温は、カニの好む2.5℃である。
⑥ 漁場が港から30kmと近く、日帰りで漁ができる。
⑦ そのため鮮度が良い美味しいカニが、店頭で購入できる。
以上の項目は、橋立港の事例である。
どうです。
あなたも美味しいカニを食べたくなってきましたか。
是非この冬、金沢のカニを堪能しに来て下さい。
今回の担当は、達じいでした。
なおランキング形式は、今回で終了させて頂きます。
今後は、より幅広いテーマで金沢の魅力を発信して行きます。
あんやと。
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