こんにちは♪
なんと今回はkimono10特別号といたしまして、加藤改石さんの工房見学についてたっぷりとご紹介いたします!
これまで幸運にも袋帯を目にする機会があったのですが、他の織物とは異なる独特の風格、気品、織の美しさに心が奪われました。その時からいつか実際にこの目で製作工程を知ることができたらと願っていました。
そしてついに、工房見学の夢が叶ったのです!
優しい笑顔の改石さんです。 改石さんにお会いできてドキドキわくわくです。
2階建ての工房にまず足を踏み入れると牛首紬の中でも重要な工程である「のべ引き」による繰糸です。玉繭を80℃前後のお湯で煮て、セシリン(糸を作る&固める成分)を取り除きます。繭の糸は縮れているので引っぱって真っ直ぐにして整えます。玉繭の特徴である大きな節を多すぎず、少なすぎずと絶妙に調節しています。そして100個の繭(100本)から1本の糸にします。
なんと!!一つの繭から600~800mも取れるんだそうです。職人さんの手つきはとても滑らかで、とても細い糸を途切れることなく1本にする作業はまさに神業です。
玉繭がぷにぷにと柔らかそうで触ってみたくなりましたが、80℃のお湯と聞くとなかなか手がでません。鍛錬とはすごいもので、職人さんたちは手を何度もお湯の中へ。手の皮膚も分厚くなっているのだそうです。
こちらは糸に撚りをかける機械です。
真っ直ぐな糸を手前の大きな車輪の回転数や回転半径で調整しながら糸の縮み方を変化させます。
この機械は手作りのもので、壊れた時に直せる大工さんは1名しかいないとのことです。
この台の歴史を感じていると、改石さんはこれまで牛首紬が辿ってきた歴史を説明してくださいました。
昔は山でヒエや粟を作り、 冬は養蚕をして糸をとって紬を作ったそうです。
明治45年に紬工房ができました。
世界一の生糸の輸出国となった日本は、国産の繭の質を高め産業として養蚕業者及び製糸業者双方に便益を与えるために産繭処理統制法を制定します。
戦後には工房の近くに養蚕農家が7軒あったそうです。
しかしだんだんと減っていく中、改石さんのお母様である加藤志ゆんさんが牛首紬を懸命に守り続けたのです。
その意志を継ぎ、 今も伝統を守りながら糸紡ぎから製織まで一貫して工房内で行っています。
加藤志ゆんさんです。
志ゆんさんの力強いお言葉が書かれています。
工房の一角には数々の表彰状が飾られています。
歴史の重み、伝統を守ることの大切さを感じます。
そしてこちらは撚りをかけたものをまた煮て、乾燥させているところです。
ふっくらとして柔らかな手触りですが、力強さも伝わってきます。
次はいよいよ製織ですよ。
時折米糊をつけるのですが、これは緯糸と経糸を繋ぐ役割をします。
染めムラにならないように、 緯糸と経糸を見ながら節が大きいものは調整していきますが、その時も糸が無駄にならないように気をつけながら丁寧に 織り上げていきます。
こちらは整経の様子です。
糸の一本一本が輝いて見えます。
ぎっしりと束ねられた美しい絹糸。
織り上がりが楽しみです。
つっついに!こちらは出来立てホヤホヤの白生地です。
これが生成りの色なんですね。
牛首紬の純粋な輝き、研ぎ澄まされた美しい姿に吸い込まれています。
我を忘れて夢中になるとはこのことですね。時の流れも忘れてしまいました。
単なる糸ではないんですね。生命の息吹が感じられる仕上がりなのです。
一つ一つ丹精込めて作られていることがひしひしと伝わってきます。
説明を追加 |
工房を見学させていただくと、手作りとはなんと素晴らしいのだろう!!と改て思い直しました。
自然の恵や人の温もりによって生まれた牛首紬はその輝きを失うことなく、永遠性をもつのです。
最高級の作品に触れることができ、感激もひとしおです。
加藤機業場の皆さん、ありがとうございます。
織物の世界の奥深さを感じるとともに、もっともっと勉強しないと!!と身を引き締める思いです。
ぜひ、皆さんも牛首紬の魅力を感じてみてくださいね♪♪
【着物10 ヤフオクでただいま全商品1円からスタート中!】
【着物10 ツイッター】
【着物買取の「久屋~ひさや~」ご自宅で完結!かんたん宅配買取】
ツイート @kimono_10さんをフォロー
白山工房なら一般公開してるから行ったことあるのに!(◎_◎;)カイセキさんの工房とわ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
返信削除