2017年2月24日金曜日
安藤広重の名前が変わる!?聖徳太子も!?
浮世絵は、昔から着物や帯の柄に使われています。
その中でも「東海道五十三次」は、題材として特に好まれているようです。
これは、着物に描かれた例です。
一方、こちらは帯に意匠された例です。
また、男物の襦袢にも良く使われます。
このじゅばんには、安藤広重(あんどうひろしげ)の画と葛飾北斎(かつしかほくさい)の画が、並んで描かれています。
おじさんの中学生時代のことです。
社会のテストに「東海道五十三次」の作者名を述べなさい、という問題が出ました。
答えは、もちろん「安藤広重」です。
しかしこれからは、その正解が「歌川広重(うたがわひろしげ)」に変わることになるようです。
その理由は、次期学習指導要領改定案で、近年の学術研究を踏まえて、社会の授業や教科書で取り上げていた歴史用語の変更が相次いだからです。
「えっえ~、テストの答えが変わってしまうの~」
おじさんは、このことに正直戸惑っています。
そこで、少し調べてみました。
ウィキペディアによると安藤は本姓、広重は号であり、両者を組み合わせて呼ぶのは不適切で、広重自身もそう名乗ったことはないとあります。
「へぇ~、そうだったのか」
おじさんは、少し納得しました。
そして、聖徳太子(しょうとくたいし)の名前も中学生の歴史教科書からは、厩戸王(うまやどのおう)に変更されるそうです。
聖徳太子は、旧一万円紙幣の「お札の顔」として、我々には印象深い方です。
そういえば聖徳太子は、馬小屋で生まれたからその別名を厩戸王というと、聞いたことがあります。
また、キリストも馬小屋で生まれたそうです。
「だから馬小屋で生まれた人間は、偉い人になる共通点がある」
中学時代の社会の先生は、僕達にそう言いました。
僕は、また調べてみました。
すると実際には、厩戸王は仏教を奨励した叔父である、蘇我馬子(そがうまこ)の屋敷で生まれたことにちなみ、そう名付けられたという説があることがわかりました!!??
そしてキリストの生誕は、西方教会では馬小屋とされているが、東方教会では洞窟とされているそうです!!??
これらのことは、おじさんにとって驚きの連続です。
そこで、私は思いました。
「小学生の孫達といっしょに、もう一度勉強してみようかな」
今回の担当は達じいでした。
あんやと(*´▽`*)。
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2017年2月22日水曜日
みんな大好き!オムライス誕生秘話、発明は石川県民!?
いきなりですが、ここで問題です。
さて毎月23日は、何の記念日でしょうか?
あまりにも突然の質問で、申し訳ありません。
正解は「オムライスの日」です。
「なにダラなこと言うとるがいね(金沢弁で、とてもバカなことを言っているわー、です)」。
いえいえこれは、決してダラな話ではありません。
オムライスを考案したのは、石川県宝達志水町(ほうだつしみずちょう)出身の北橋茂男さんです。
その北橋さんの誕生日が、明治33年7月23日であったことから、宝達志水町が「オムライスの日」と設定しました。
それでは、オムライス誕生秘話をご紹介します。
北橋茂男さんは、20代の青年シェフとして、大阪通天閣近くの「新世界」で、洋食屋を開業していました。
そのお店の名は、大阪心斎橋に本店がある「北極星」です。
北極星の当時の店名は「パン屋の食堂」でした。
パン屋の食堂は、従業員も大勢いて洋食とすき焼が名物の大繁盛店でした。
そんな忙しいお店に、足繁く通う一人の常連さんがいました。
彼は、いつも白いごはんとオムレツを注文し食べていました。
それは、1925年(大正14年)のある日のことでした。
北橋さんは、その常連さんに感謝しつつも、同じものばかりではかわいそうだという思いが募りました。
そこで、マッシュルームとたまねぎを炒めてケチャップライスにして、薄焼き卵で包んだ特別料理を彼の前に出したのです。
彼は、一口食べてこう言ったそうです。
「おいしいやん!なんやこれ?」
マスターは、それに応えて言いました。
「オムレツとライスを合わせて、オムライスでんな」
これが、オムライス誕生の瞬間となりました。
2011年宝達志水町は、北橋さんを称えて「北極星」の協力のもと「オムライスの郷」プロジェクトを開始しました。
これに合わせ町内のオムライスプロジェクト加盟店は、料金割引やおまけを付けるサービスを行っています。
また、それぞれのお店ごとに、ユニークなネーミングを提供しています。
ここで、各参加店のオムレツのネーミングをご紹介します。
「そばめしオムライス」「石焼ビビンバオムライス」「のど黒と紅ズワイ蟹のおむらい寿し」「紅白オムライス」「ふつうのオムライス」「ポークソテーオムライス」「味好オムライス」「やわらぎオムライス」など様々なオムライスが、提案されています。
ちなみに当地には、オムライスとおもてなしを掛け合わせた「おむてなし」という言葉があります。
この「おむてなし」には、2つの思いが込められています。
1つは、お客様によりおいしい食事を食べてもらいたいと願って、工夫する思いです。
もう1つは、食事の時に和やかな会話をして、楽しく過ごして欲しいというおもてなしをする心です。
その心は以前、感謝と優しさでお話したことにもつながります。
まさにこれが「能登はやさしや土までも」の心です。
こうしてオムライスは、おいしさとやさしさが一つに包まれた料理になりました。
あんたも、いんぎら~(ゆったりの金沢弁です)としまっし~♪
今回の担当は達じいでした。
あんやと(*´▽`*)。
※追記:オムライス町グルメまつりが、2017年3月19日(日)10:00~15:00に、宝達志水町の押水総合体育館で開催されます。
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2017年2月20日月曜日
白山美川ふくさげ祭りと奇跡の珍味・フグの卵巣の糠漬
「白山美川ふくさげ祭り」のPRが、金沢市の北陸銀行犀川支店で開催されています。
当支店では、2017年3月18日・19日に開催される「第6回白山美川ふくさげ祭り」を盛り上げるために、フグやえびす様などの人形のつるし飾りを13点展示しました。
この展示は、2017年2月28日まで行われる予定です。
これらの写真には、様々な着物のハギレで作られた人形が、つるされている姿が見られます。
また、それぞれの人形には「ふくさげ祭り」の言葉の由来に関係があります。
まず「ふく」の由来から。
「ふく」は、魚のフグに由来します。
フグは、フク(福)とも呼ばれ、幸福を意味する言葉です。
次に「さげ」は、魚のサケに関係しています。
美川町は、手取川河口地域にあります。
この手取川は、鮭が帰ってくる遡上南限の川です。
そのサケの人形には、子供達が元気に育ちますようにとの願いが込められています。
そして「祭り」の由来です。
白山市美川町には「おかえり祭」というお祭りがあります。
「おかえり祭」とは、祭りの参加者が蒔絵や漆絵の描かれた13台の台車(だいぐるま)を引き、紋付き袴姿の若衆が勇壮にラッパを吹くというお祭りです。
また、この台車と悪魔祓いの獅子の先導で、鮮やかな金色の神輿が、町内を練り歩きます。
つるし飾りに付けられている若衆を形どった人形は「おかえり太郎」と名付けられた独自のキャラクターです。
また祭りの会場では、美川町の特産品が販売されています。
そこでは、様々なものが売られています。
ここで特筆すべきものに「フグの卵巣の糠漬(ぬかづけ)」と「粕漬(かすづけ)」があります。
一般的にフグの卵巣には、テトロドトキシンという猛毒が多く含まれています。
しかし、その卵巣を2年以上にもわたって塩漬けし、さらに糠漬けあるいは粕漬けすることで毒素が抜けて、何と!!食べられるようになるのです☆
しかし、毒素が抜ける理由は、まだはっきりとは解明されていません。
そのため卵巣の糠漬けを食品として製造できるのは、日本全国で石川県白山市美川地区と金沢市金石(かないわ)地区・大野地区だけです。
これは、古くからの伝統文化であることが認められて、特別許可を得ているため可能となっています。
その味は、濃厚で塩気が強いのが特徴です。
また、日本酒の肴としても抜群で、お茶漬やフグの子パスタなどの食べ方もあります。
石川県には、面白いお祭りや美味しいものが、いっぱいあります。
あんたも金沢にいらっしきまっし♫
今回の担当は達じいでした。
あんやと(*´▽`*)。
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2017年2月17日金曜日
加賀野菜・小坂れんこんと大好き煮物ときんぴら
>>私は、大好きです。
特に好きなのが、れんこんの煮物です。
油揚げやにんじん・しいたけ・さといも・こんにゃくなどといっしょに煮たれんこんは、ホックホクでご飯がすすみます。
また、れんこんを油で炒めたきんぴらも大好きです。
あの甘辛く味付けした、シャキシャキとした食感がたまりません。
れんこんの成分には、脂質がほとんど含まれていないため、油を使用した調理法ととても相性が良いそうです。
そしてれんこんには、疲労回復に効果があるビタミンCがあり、腸の働きを活発にする食物繊維が、豊富に含まれています。
また、熱に弱いビタミンCがでんぷん質に守られて、加熱しても失われにくいのが特徴です。
金沢には、加賀野菜の一つである「小坂れんこん」があります。
この小坂れんこんは、加賀れんこんとも呼ばれ、金沢市小坂町が主な産地であるためこう名付けられました。
そして、江戸時代の頃から栽培されていたと伝えられている金沢の特産品です。
れんこんは、蓮の地下茎(ちかけい)という茎が肥大化したものです。
それは、水の張られた泥の中で育つため、空気を運ぶ通気孔が発達し、茎に穴がいくつも開きます。
れんこんには、この穴が開いているため、先が見通せるという縁起物であることから、お正月のおせち料理に良く使われます。
また、一般的なれんこんの穴は8個ですが、金沢で栽培されている支那白花(しなしろはな)という品種は、その穴が9個あります(中央で円形に並ぶ主な大きめの穴のことです)。
れんこんの主成分は、糖質ででんぷんやムチン質という粘り気の成分により、それぞれ特有の歯応えと口当りがあります。
その全国一の産地は、あの新横綱・稀勢の里の出身地である茨城県です。
茨城産の主な品種は、中国原産の「金澄(かなすみ)」系や「だるま」系です。
これらは、肉厚のれんこんで歯切れが良く、シャキシャキとした食感です。
一方、小坂れんこんは粘り気が強く、ネットリとしたホックホク感があります。
金沢人は、このホックホク感が大好きです。
炬燵(金沢弁で「おこた」)で、ゆっくりまったりホックホク。
この環境が、金沢人の人柄や気質を作りだす基本となっているようです。
ここで、わが家特製の「れんこんポタージュ」をご紹介します。
このれんこんポタージュは、とても美味しくてしかも簡単にできます。
そして、れんこんに含まれるムチンという成分が、のどを保護しカゼから体を守る働きがあるそうです。
◯れんこんポタージュの調理方法
1. れんこんを皮つきのまま、おろし金ですりおろす(数量適量)。
2. それを鍋に入れ、牛乳を加える(数量目分量)。
3. 固形コンソメを入れる(数量1個分)。
4. 鍋を火にかけ、3分から5分位あたためる。
5. 食器に盛り付ける。
6. きざみ青しそまたは、きざみパセリをかける。
7. お好みで黒コショウを振りかける。
はい、あっという間にできあがり。
ぜひ、お試しあれ。
金沢は、いいとこねんよ~♪♪
あんたもいっぺん、金沢にきてみまっし~♫
今回の担当は達じいでした。
あんやと(*´▽`*)。
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2017年2月15日水曜日
兼六園の梅花と前田家家紋・剣梅鉢紋
金沢の兼六園では、強い寒気が流れ込む中、ウメが咲き始め早咲きの八重寒紅梅と冬至梅が、見頃を迎えました。
兼六園には、ウメがまとまって植えられている梅林があります。
また園内には、20種類・約200本のウメがあります。
その中で、最も多い100本の白加賀は、まだつぼみが2分咲くらいです。
そして、鮮やかなピンク色の花を咲かせる摩耶紅梅は、3月中旬から下旬が見頃になります。※2017年2月10日付、北陸中日新聞の記事に基づいています。
これは、石川県が誇る九谷焼のお銚子と盃の写真です。
お酒好きのおじさんが愛用する「ウメ~」の画像で、まずはお楽しみ下さい。
そしてこちらは、着物の梅柄の華やかな画像をご覧下さい。
ところで、兼六園に梅林があることには、深い理由があります。
それは加賀藩前田家が、菅原道真の子孫であることを自称していることにちなみます。
菅原道真は、平成時代の歌人です。
代表的な歌は「東風(こち)吹かば、匂いおこせよ 梅の花 主(あるじ)無しとて 春を忘るな」です。
また道真は、学問の神様としてまた天神様として、福岡県太宰府天満宮など各地の天満宮で祭られています。
この太宰府天満宮には。約200種・およそ6000本の白梅や紅梅があり、日本有数の梅の名所になっています。
そして、この由緒正しき!??前田家の家紋は、剣梅鉢紋です。
前田家は、もともと六曜紋でしたが、それが梅鉢紋に変わり、加賀藩三代藩主前田利常の時代に剣梅鉢紋となったそうです。
この紋は、梅鉢紋に幼剣(短小な剣)を入れたデザインです。
この剣は、前田本家では短かい剣ですが、支藩である富山藩や大聖寺藩(だいしょうじはん)では、剣が少し長くなっています。
一方、七日市藩ではその剣がなくなります。
その理由は、意外なところにあります。
本藩は、学問や文化を通じて徳川と仲良くやっていこうという文治派のため、梅鉢の剣を短くしています。
それに比して支藩の方は、いつかは徳川に変わって天下を獲ってやるぞという、心に秘めた武功派としての意気地で、剣を長くしているそうです。
ここでお話は、大きく変わります。
縁起の良い物のたとえに「松竹梅」という言葉があります。
この松竹梅は、ともに寒さに耐えるため「歳寒の三友」と呼ばれて、おめでたいものとして慶事に使われます。
「松」は、四季を通じて常に緑を保つから縁起がいい。
「竹」は、すくすくと伸びるから縁起よし。
「梅」は、極寒の冬に一番先に花が咲くからおめでたい。
これが「松竹梅」の由来と考えられているようです。
また、基本的にこの三つには、一番・二番・三番という順番はないそうです。
では、なぜ順番がついてしまったのでしょうか。
この理由には、うなぎ屋発祥であるという説があります。
本来うなぎ屋では、客の注文を受けてからそれをさばき焼くため、蒲焼きが出てくるまで長時間かかります。
そのため江戸っ子は「松(まつ)竹(だけ)梅(うめ)え」と洒落て待ったそうです。
そんなうなぎ屋さんの中にも、梅が一番上等のうな重であるお店があると聞いたこともあります。
そして、金沢でも「梅が一番」という言葉があります。
それは「うめがいち」という言葉です。
これは、金沢特有の伝統文化である子供の遊び「旗源平(はたげんぺい)」にちなんでいます。
まず2個のさいころを振り、1と5の目が出ると10点得点され、中旗1本もらえます。
そしてさらに、さいころを続けて振ることもできます。
これが旗源平では、一番良い手となり「うめがいち」と呼びます。
さいころの5の目は、梅の5枚の花びらに見立てます。
そして1の目は、もちろん1番の意味です。
このようなわけで、金沢では梅が一番なのです。
今回の担当は達じいでした。
あんやと(*´▽`*)。
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2017年2月13日月曜日
河津桜開花と桜色の着物で入園・入学式
え~、金沢で河津桜が咲いたの!??
おじさんは、このニュースに少々驚きました。
てっきりそれは、太平洋側のサクラだと思い込んでいたからです。
河津桜は、日本で一番最初に咲くサクラです。
このサクラの原産地は、静岡県伊豆・河津町です。
ソメイヨシノは、開花から1~2週間で散ってしまうのに対して、河津桜は約1ヶ月も咲いています。
そのためお花見期間も長くなります。
そのお花見イベントである「河津桜まつり」が、2017年2月10日から3月10日までの日程で始まりました。
メイン会場は、河津桜観光交流館周辺です。
また、河津川堤防沿いは、桜並木が両岸にあり、延べ3キロメートルの桜のトンネルがあるそうです。
このお祭りでは「桜のライトアップ」・「B級ご当地グルメ大会」・「お花見特設ステージでのパフォーマンス」・「伊豆の踊り子との記念撮影」などの様々な催しがあります。
そして、屋台や露店がいっぱいヽ(=´▽`=)ノ出店するそうです♪
その効果もあって、お祭期間中1ヶ月間で100万人もの人出が予想されています。
石川県の人口が、2017年12月末時点で約115万人ですから、これは大変な賑わいと言えます。
何か、自分もワクワクしてきました(〃∇〃)。
一度、私も河津桜まつりに妻と一緒に行ってみたいなと思います。
ところで河津桜といえば、思い出される出来事があります。
今から4年前の2013年3月、ヤフオクの年間ベストストアレディースファッション部門第2位に輝き、東京・椿山荘での表彰式に臨みました。
その会場の日本庭園に植えられた河津桜が、見事なまでに満開でした。
美しい。
鮮やかなサクラ色と晴れがましさと高揚感が入り交じり、私にとって忘れられぬ光景となりました。
金沢にもサクラの名所があります。
それは「日本三名園」の一つである「兼六園」です。
その満開時は、心を奪われる程の華やかさです。
金沢のサクラは、そのほとんどがソメイヨシノです。
そのため河津桜よりも開花時期が、かなり遅くなります。
また、同じソメイヨシノでもそれは、太平洋側よりも数日以上遅くなる傾向があります。
ちなみに金沢の今年のサクラ開花予想は、現在のところ4月4日だそうです。
私のサクラのイメージは、入園・入学式です。
金沢では、入園・入学式がちょうど桜の時期と重なります。
私の中の記憶では、桜色の着物に袖を通した母親に手を引かれ、校門をくぐる光景が瞼に浮かびます。
この春、桜吹雪の中を妻と手をつないで歩いてみようかな。
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2017年2月10日金曜日
雪中野菜と加賀野菜の一つ、源助大根
只今、大寒の季節。
金沢も雪が降り、とても寒くなっています。
ところであなたは、雪中野菜や雪下野菜という言葉を聞いたことがありますか。
例えばそれは、雪中大根や雪下人参というような言い表し方をします。
その言葉には、雪の中に埋もれた野菜が、とても甘くなり美味しくなるという意味があります。
でもそれは、一体どうしてなんでしょうか。
一般的に野菜は、その細胞内に多くの水分を含みます。
そのため冬の厳しい寒さの中で、細胞中の水が凍ってしまう恐れがあります。
そうなると細胞が、壊れてしまうかもしれません。
そのため野菜は、その身を守ろうとして、体内に蓄えたでんぷんを糖分に変え、凍ることを防ごうとします。
通常、水は0℃で凍りますが、糖分を含めば水の凍る温度が低くなり、氷点下になっても凍りにくくなります。
これらは、野菜にとっての自衛手段ですが、我々人間にとっては、甘くて美味しい野菜に変わることになります。
またそれに加えて、大根はその部位によって味が異なります。
まず、大根の先の方(地中深い先端部)は、辛味成分が多く辛く感じられます。
その理由は、土中の虫よけのためです。
つまり大根は、辛味成分を強くすることにより、虫に食われないようにしているのです。
一方、真ん中から地表に近い部分は、甘くなります。
またその葉には、ビタミンCが根の部分の約5倍含まれ、その他にカリウムやカルシウムなどが豊富です。
我が家では、大根の葉を塩もみし、一夜漬した漬物「おこもじ」を白いご飯の上にかけて食べています。
そんな美味しい冬大根ですが、金沢にも特有の「地大根」があります。
それは、加賀野菜の一つである源助大根です。
源助大根は、太くて短い形をしています。
いわゆるずんぐりむっくりとした形で、その白い肌が極わ立ちます。
その品質には、きめが細かく甘みが強く、肉質が柔らかくみずみずしいという特徴があります。
また、煮崩れしにくく、味が浸みこみ易いという長所があります。
そのため、おでんやふろふき大根に最適な大根です。
昔から大根は、健康に良い食べ物だと言われています。
江戸時代の儒学者である貝原益軒は、その著書「養生訓」の中で、「大根は野菜の中で上等なものに入る。常に食べるようにすべきである」と述べています。
大根には、アミラーゼなどの多くの消化酵素が含まれ、でんぷんやタンパク質・脂肪を分解し、消化を助けてくれます。
そんな大根の薬効を示す逸話が残っています。
加賀藩祖である前田利家が、ある寺を訪れた際に腹痛を起こし、当時の住職が出した大根を食べて回復したそうです。
そのゆかりの寺が、七尾市小島町の本門法華宗本行寺です。
この本行寺で1月29日に厄除星祭り(大根封じ)が行われ、参加者は「大難根絶」の意味を込めた、ユズみそのかかったふろふき大根を食べ、無病息災を願いました。
このように石川県には、美味しいものがたくさんあります。
そして、とてものんびりした所です。
あんたもいっぺん金沢に来て、いんぎら~(のんびり)としてみまっし♪
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