2016年12月28日水曜日

向かい干支



ウサギとひよこのアンティーク文様
ウサギとヒヨコのアンティーク帯
兎とヒヨコの大正ロマン帯
ウサギの名古屋帯文様ウサギとヒヨコの大正ロマン文様兎とヒヨコのかわいい名古屋帯ウサギと雛のかわいい名古屋帯文様


ウサギと雛の可愛らしいデザインアンティーク


まず、こちらの8枚の写真をご覧下さい。

そこには、1羽のウサギと3羽のひよこが、身を寄せあう姿があります。

とても微笑ましく、心暖まる絵です。


それは、私のような素人が見ても大変上手な絵に思われます。




少し前の時代では、よく黒帯や黒繻子の帯をキャンバスに見立て、画家や自称芸術家が、思い思いの絵を画くことが粋とされていました。

私も仕事柄、そのような絵付の黒帯を多く見てきました。



その中でもこの絵は、秀逸です。



そしてこれは、女房に買ってやりたい程の帯だと感じました。


その時、ふと思いました。


どうして題材が、ウサギとひよこなんだろうと。


そして突然、閃きました。



これは、もしかすると向かい干支ではないのか。

そして、もしそうだとしたらこの作者は、相当の博識人だなと思いました。



向かい干支とは、自分の干支を1番目として数えて、7番目の干支のことです。

  例図
向かい干支のイメージ画で相性がよいです

昔から向かい干支の人や物は、自分と正反対の性質を持つからこそ、相性が良いという考え方があります。

そのため、それらのグッズや絵柄をあしらったもの大切にして、身近に持つようにすると、幸福が訪れるとする俗信が江戸時代からありました。



ですからこの帯は、幸運を呼び寄せる帯と言えるでしょう。



実は、金沢三文豪※注1※注2として有名で、1873年(明治6年)酉年に生まれた泉鏡花※注3が、向かい干支にあたるウサギの小物を集めていたことは、つとに有名です。


泉鏡花は、最愛の母からウサギの水晶をお守りとして与えられたことを機に、ウサギグッズの収集を始めたとされます。


そして、その数は相当なものになったそうです。


因みに金沢市内の泉鏡花記念館では、企画展「酉TORI/卯USAGI-錦絵で愉しむ向かい干支-」が、平成28年12月17日から同館で始まっています。


企画展では、鏡花が愛蔵したウサギにまつわる品々が多く並び、杖や陶磁製の置物などが注目を集めているそうです。


この企画展は、平成29年5月14日まで開催されていますので、興味のある方は是非来館されてみては如何でしょうか。



※注1 
金沢三文豪……泉鏡花・室生犀星徳田秋声  
    
それぞれに泉鏡花記念館・室生犀星記念館徳田秋声記念館があります。

※注2 
文豪……他人に鮮烈な影響を与え続ける優れた作品を多く発表した小説家の称。

※注3
泉鏡花代表作……義血侠血・照葉狂言・高野聖・天守物語
            夜叉ケ池などいずれも幻想的な作品です。
なお夜叉ケ池は、1979年に松竹で映画化され、主演の坂東玉三郎(若き娘百合と龍神白雪姫の二役)の妖艶な演技が、当時話題となりました。(本当に女性よりも美しく感じました。)

そして、夫役加藤剛とのキスシーンが、とてもなまめかしいものでした。

また、東山茶屋街には、照葉狂言から由来した店名のとても素敵なワインバー「照葉(てりは)」というお店があることも付け加えます。




ここにもう一つの深読みがあります。



鳥は、一羽・二羽と数えます。

そして、兎も一羽・二羽!!と数えます。


ちょっと、これは変じゃないですか。


この理由は、仏教的戒律によります。

仏教には、四つ足の生き物は、決して食してはいけないという教えがあります。

しかし、この教えを忠実に守っているとお腹が減って仕事になりません。



そこで人々は、考えました。


兎には、羽根があるじゃないか。

だから兎は鳥だ。そうに違いない。鳥なんだ。

だって耳のように見えるのは、羽根だろう。


だから兎は、食べてもいいんだ。


江戸時代は、生きるのが大変な時代でした。



もし、この帯に絵を画いた人が、この2つの謂れを知って掛けているならば、この人物は只者ではないと思います。

そうなればこの帯は、大変価値のある帯となります。

しかも手描きであるため、唯一無二の逸品です。



あなたがこの帯をお召になることがあれば、新年平成29年は、とても素晴らしい年になると思います。

特に、あなたが酉年であるならば、幸運に満ちた1年になることは、疑いのないことだと感じます。



因みに新年早々に着物10にて、選りすぐりの逸品の中で本品が、出品される予定です。

どうぞ、お楽しみに。(何や宣伝かい)



今回の担当は、達じいでした。

あんやと。


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2016年12月21日水曜日

うんまい金沢 海鮮編 その2 3-3


第2位 香箱ガニ


1.美味しい食べ方

香箱ガニは、加能ガニの雌ガニです。

甲羅の中には、オレンジ色の未成熟卵である内子(うちこ)やカニミソが入っています。

そして、お腹には茶色の粒状の受精卵である外子(そとこ)が、ビッシリとつまっています。



食べ方は、やはり茹でて二杯酢で食べるのが一般的です。

その他には、軍艦巻きや炊き込みご飯でも美味しく頂けます。



2.カニ面

そして、金沢人の密かな食べ方として、おでんのカニ面があります。


カニ面とは、足などから身を全て取り出しカニの甲羅につめて、おでんとして煮込んだ物です。

これがおでんの出汁に浸みて、たまらなく美味しいのです。

価格は、大体1,200円から2,000円位もして、少々お高くつきます。




その昔カニ面は、小金持ちのお大尽しか食べられない隠れメニューでした。

しかし、昨年テレビ番組「ケンミンショー」で取り上げられてからは、金沢市内のおでん屋に大挙押しかけるようになってしまいました。

そして彼らは、口を揃えて「とにかくカニ面、カニ面をくれ」と言うのです。



そのため地元常連客である達は、気兼ねして注文できないネタとなってしまいました。



だってそれは、ネタ(正式にはおでん種)として商品になるまでに、もの凄い手間がかかっていることが、品格優れたおじさん達には、わかっているからです。



そして遂には、あまりにもカニ面を注文する観光客が多くなってしまいました。


しかし、ここで予期せぬ事が起きました。


それは、目の前の鍋にカニ面があるのに注文すると、これは予約のお客様用だと断わられるお客さんが、続出したのです。

そこで仕方なく、おでんの老舗と知られる「赤玉本店」では、今季の予約によるカニ面販売をとりやめました。



この様に金沢人は、自分達の固有の文化が、あまりにも急激に変化することに、戸惑っているのが現状です。



なお、カニ面には2つの流れがあります。

カニ面発祥店である、「菊一」さんでは、甲羅にカニ身を全て入れ、カンピョウで絞り煮込む方法です。

そして、前述の「赤玉本店」さんでは、それに練り物を加え煮込みます。


どちらも美味しいことは、保証済です。



しかし販売期限は、12月29日に迫っていることをここに改めて付け加えます。



3.香箱ガニの価格

香箱ガニは、加能ガニに比べて非常に安く手に入ります。

大体、1杯300円から3,000円位です。

特にその価格が、1杯1,500円を超えるくらいからより美味しくなり、3,000円も払えば加能ガニを凌ぐ美味しい香箱ガニに出会えるかもしれません。


その美味しさは、繊細で旨みが強く、私はむしろ香箱ガニの方が好きです。


しかし、特に北海道出身の方は大きなカニに慣れているせいか、香箱ガニを木葉ガニ(こっぱガニ)とかクズガニと呼ぶこともあるようです。



4.美味しい香箱ガニの見分け方

① 大きいこと

② 重いこと

③ 外子が赤黒いこと

香箱ガニもより大きければ大きい程、味わいが深く美味しくなります。

また、外子がオレンジ色よりも赤黒くなっているカニの方が濃厚な内子が多く詰っています。



5.何故、金沢のカニは特別美味しいのか

金沢のカニは、他所よりも格段に美味しいと断言できます。

それには、いくつもの必然的な理由があります。

その理由は、以下の通りです。


① 漁場は、暖流と寒流のぶつかる位置にあり、プランクトンが多い。

② そのためカニの餌となる魚が多い。

③ 激しい潮流に揉まれることで強いカニになる。

④ 漁場には、カニの生息域である水深200mの大陸棚が広がる。

⑤ 漁場の水温は、カニの好む2.5℃である。

⑥ 漁場が港から30kmと近く、日帰りで漁ができる。

⑦ そのため鮮度が良い美味しいカニが、店頭で購入できる。


以上の項目は、橋立港の事例である。



どうです。

あなたも美味しいカニを食べたくなってきましたか。



是非この冬、金沢のカニを堪能しに来て下さい。



今回の担当は、達じいでした。

なおランキング形式は、今回で終了させて頂きます。

今後は、より幅広いテーマで金沢の魅力を発信して行きます。



あんやと。





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2016年12月20日火曜日

うんまい金沢 海鮮編 その2 3-2

第2位  加能ガニ


1.美味しい食べ方

加能ガニ(石川県で獲れたブランドガニ)には、水色のタグが付いています。

その食べ方は、塩茹でして食べるのが一般的です。

カニミソのたっぷり入った甲羅に足や爪の身をほぐして入れ、混ぜ合せた身を二杯酢につけて口の中に。


あぁ~美味しい。


思わず嘆息が、漏れます。

まさに1年に数度しかない至福の時です。



食べ終わる直前、甲羅にカニミソとカニ身を少し残し、ここに熱燗を注いですするのが通の食べ方です。

他にもカニすき鍋や酢の物・味噌汁など美味しい食べ方が、色々あります。



また、少し贅沢な人気の食べ方があります。

刺身は、氷水につけると花が咲いたように開き、トローリとした極上の甘みを感じることができます。

焼きガニには、プリプリとした食感と、まるでバター焼きをしたような濃厚な旨みがあります。

お好みによっては、すだちを絞ったりレモン汁をかけて召上がっても結構です。



ただし、刺身や焼ガニ・しゃぶしゃぶは、活ガニである必要があるため多少高くつきます。




2.加能ガニの価格

加能ガニは、1匹約2,000円から20,000円位で買うことができます。

その価格の差は、重さや大きさ・短足・足折れなどの基準で分けられます。

因みに加賀市の橋立港では、約100種もに分別されるそうです。



先程、カニが1匹いくらと記しましたが、正式な単位では、1杯・2杯と数えます。

これは、カニを茹でる時に大きな篭を使ったことに由来するそうです。




3.美味しい加能ガニの見分け方

美味しいカニの見分け方には、目利きのポイントがあります。

下記にそれを列挙します。



①加能ガニの証明である水色のタグがついていること。

②お腹が、ピンクや飴色であること。

③重たいこと。

④甲羅が堅いこと。

⑤はさみが大きいこと。

⑥甲羅にカニヒルの卵(通称ムシ)が沢山ついていること。



カニは、何度も脱皮を繰返しながら成長します。

また、その脱皮をしてからの歳月が多いほど、ムシが多くつきます。

つまり、少し気持ち悪くなるような見た目のカニほど美味しいのです。

因みに橋立港近くの直売所では、カニの身の入り具合が解り易いように、お腹を上にして並べていることが多いようです。

一方、金沢市内の近江町市場では、見映えが良いように甲羅を上にしてある場合が多いように思われます。




4.カニの2つの欠点


そんな美味しい加能ガニにも残念なことに、2つの欠点があります。

まず1つは、高いお金を出して食べてもお腹が膨れないことです。

もっと大きな欠点は、とても食べにくいことです。


カニの身をほぐして食べるには、大変面倒で労力が必要です。

カニの身ほぐし専用のスプーンもありますが、身を出しているうちに疲れてしまい、もう食べなくていいやとなってしまいます。

とにかくカニを食べるには、努力と根性がいります。

しかし、それこそがカニを食べる喜びだと豪語する強者もいることも確かです。



でも、カニ初心者の方もご安心下さい。

金沢のほとんどの飲食店では、食べやすいように全て処理しています。



えっ、お前はどっちのタイプですかって?



僕は、カニ足などから全て身をほぐして、甲羅に入れてくれなければ、一切カニを食べません。



だって俺は、昭和の男だから!!



うちでは、いつも愛しい女房が、カニの身をほぐしてくれています。

これが、じいさんの細やかな幸せです。




次回は、香箱ガニの美味しい食べ方や見分け方について述べます。

そして何故、金沢のカニが特別に美味しいのかという謎に迫ります。




今回の担当は、達じいでした。

あんやと。



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2016年12月19日月曜日

着付けのポイント ☆着物☆



お久しぶりですっ(*´ω`*)





くぅちゃんです☆



今まで土台作り長襦袢について
紹介させていただきました。



今回は、
着物を着る前に
押さえておきたいルールやポイント
ついて紹介させていただきます☆



まずはじめに

着物には格があるって知ってましたか?

和装には、着物から小物にいたるまで「格」があります。

実はこの格が着物を難しくしている原因のひとつなんです...



格によってTPOに合った着物の選び方、帯や小物とのコーディネートの良し悪しが決まってくることも確かなのです。

わかりやすいように
格の高いものからグループ分けしてみました☆


女性用の場合☆

礼装着(第一礼装) 打掛、黒留袖、本振袖、喪服など。

略礼装着(準礼装着) 色留袖、訪問着、振袖、色無地、江戸小紋の紋付など。

外出着 付け下げ、付け下げ小紋、小紋(友禅)、小紋、紬の訪問着、無地の紬、絞り、お召、更紗など。

街着・普段着・浴衣 紬、絣、黄八丈、ウール、銘仙、木綿、浴衣


男性用の場合☆ 

第一礼装  黒羽二重五つ紋付・色紋付

おしゃれ・外出着 御召一つ紋・紬(アンサンブル)・ウール(アンサンブル)・上布


こんな感じで分かれています。




洋服と同じで例えば友人の結婚披露宴に出席するときに

ジーンズやパーカー、

Tシャツなどカジュアルな服装ではなく

フォーマルドレスやパーティードレスを選びますよね?

それと同様に着物にも格というものがあってシーンによって

着物を選ぶのがマナーとしてあるそうです。

ただ、着物は洋服よりもルールが多く着物は面倒だと思う方も

いるかと思います。


しかし、ポイントさえ押さえておけばそんなに難しいものではありません!!!


そのポイントとは


「その場の状況に合った装いをする」



これさえ押さえていれば大丈夫です☆



洋服を着るときに夏は半そで、冬は長袖を着ることが

一般的ですよね。

着物には袷(あわせ)、単(ひとえ)、(うすもの)があります。

袷の着物は裏地の付いている着物で

10月から5月頃までに着ます。

単の着物は裏地の付いていない着物で6月と9月に着ます。

夏物の着物は生地が薄く涼しさを感じる着物で7月と8月に着るの

が一般的なのです。





最後に

最近では洗濯機で自分で洗える着物もあります。

素材はポリエステルでできているため着物に慣れていない初心

者の方にもお勧めです!

毎日の生活に少し着物を着る日を取り入れてみると、

きっと新しい発見があると思います。

日本の伝統として古来より受け継がれた着物を着ることで

改めて日本文化の魅力に

触れてみてください♪





ちょっと堅苦しい話もしましたが...


TPOにあわせた着物の着こなしをぜひ楽しんでみてください☆



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うんまい金沢 海鮮編 その2 3-1

第2位 ズワイガニ・コウバコガニ


金沢の冬の味覚の王様は、何といっても

ズワイガニ(加能ガニ)コウバコガニ(香箱ガニ)です。



金沢人は、毎年カニ解禁を心待ちしています。





ところが今年、大変な事が起こりました。





実はカニ漁は、毎年11月6日午前0時解禁と決まっています。

そのため漁師達は、11月5日夜に港を出発し、漁場に待機して午前0時を今か今かと待ち続けます。

そして、午前0時の解禁と同時に網を仕掛けます。

それから昼頃まで漁をして、夕方には初競りにかけます。



こうしてその大漁のカニが7日早朝、金沢中央卸売市場で競られ、その日の午前中にはスーパーの店頭に並びます。



こんな当たり前だと思っていたことが、今年は駄目になってしまいました。






それは、11月5日に風が強く大しけのため、石川県内で約100隻の漁船が、出港中止となってしまったことです。

こんな事は、69才になるベテラン漁師さんにとっても過去30年で、初めての経験だそうです。



実は、金沢市内のスーパーでは、11月7日のカニ解禁に合わせて、何日も前からチラシを刷って、朝刊に挟む予約をしています。

そして、煽りに煽って、カニ初売をアピールします。

また、高級料亭や旅館では1年も前から予約が殺到し、11月7日の夜は満室が通例だそうです。




こんな状態なのに肝心のカニがないのです。


えっ、それでどうなったかって?




残念ながら(?)安心して下さい。

そこは流石に商売人。

兵庫県産や鳥取産・ロシア産でまに合わせたそうです。





ここで県外の方には、とても申し上げにくいお知らせがあります。

それは皆さんが9月や10月に金沢に来て、おいしい美味しいと言って食べたカニは、金沢産(石川産)ではないということです。




改めて申し上げます。

金沢では、地元産ガニの食べられる期間が、決まっています。




加能ガニでは、毎年11月6日から翌年3月20日までです。

また香箱ガニは、11月6日から12月29日までしか食べられない決まりです。


何とその香箱は、あと2週間しか食せません。

どうぞ皆様、急いで金沢においで下さい。




次回はカニの美味しい食べ方と上質なカニの見分け方について述べます。

そして、何故金沢のカニが美味しいのか、その謎について説き明かします。


どうぞお楽しみに。





今回の担当は、達じいでした。

あんやと。


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